雨のち晴
「あ、昨日ごめん。メール来た時は寝てて…」
「別にいいって。俺の頑張り伝えただけだし」
そっか、と。
納得してしまうあたし。
「じゃ、ノート借りてく。また返しに来るから」
十夜はそう言って、
教室を出て行った。
「藤田って何考えてるんだろうね」
「本当分かんないよね、あの男だけは」
同時に恵衣と麗華がそう呟く。
あたしは、首を傾げて2人を見ると。
「てか、とりあえず教室出よ」
「う、うん。何で?」
「こっち、ずっと見てるから」
麗華が目で訴える先を、
こっそり見る。
こっちを見てたのは、
十夜の彼女の里菜ちゃんだった。
「もう、藤田って何で咲坂さんと付き合ってるのかな?」
「あたしも、それが不思議で仕方ない」
教室を出るなり、
2人は言いたいことを言いだす。
あたしはそれを少し後ろで、
あたふたしながら聞いている。
「あたしの物、ってオーラ出すの、いい加減やめてほしいよね」
「別にあなたの物じゃないし、って感じ」
何だか2人とも怒ってて。
あたしは、なぜかなだめるはめに。
「まぁまぁ、2人とも…」
そう言いながら、廊下の角を
曲がった時。