雨のち晴





「で、何があったの?」





ご飯も食べ終え、


2人に昨日のことを話す。


それを聞いた2人は、


笑っていた。





「何で笑うの…」





「だってジュースこぼされたくらいで、そんなに怒るとか可愛すぎでしょ」





「だからさっき、オレンジジュースの子とか言われてたのね」





そりゃ、今考えたら


あんなに怒ることじゃなかったとは


思うけど。


だけど、だって、


喉乾いてたんだもん。







「でも偶然だね、諒司先輩と会うなんて」




「諒司先輩…?」




「さっきの人だよ、丘谷 諒司(オカヤ リョウジ)先輩。3年生で、すごく人気のある人。知らなかったの?」





丘谷…諒司…。


そう言われても、


そう言えばそんな人いたな、


くらいで。


名前と顔が一致してなかった。


今日見て初めて、


あの人が丘谷って人なんだ、って


くらいの感動しかなくて。






「知らない。ま、どうでもいい。あんな人」





あたしはそう言って、


デザートを注文した。


2人はそれを見て、


呆れ笑いであたしを見ていた。




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