雨のち晴





「だから、何ですか?」




「こいつら俺の友だち」




永田 裕大(ナガタ ユウダイ)です、と。


すごく優しそうな人が、


微笑んで名前を言った。


望月 真太(モチヅキ シンタ)です、と。


明るくて元気な人が、


よろしくと言った。


島崎 健(シマザキ ケン)です、と。


クールなその人は、


迷惑かけてすまないと言った。





「た、高原朱里…です」




「中山恵衣です…」




「石黒麗華です…」





あたしたちも名前を言う。


何だろう、この人たち。


噂通り、イケメンだな。


そう思っていると。





「俺は!」





諒司先輩が自分の自己紹介を


しようとしたから。


あたしは。





「聞きたくないんで。さようなら」





それだけ言って、先輩たち4人の間を


通り抜けて校門を目指す。






「朱里!恵衣ちゃん!麗華ちゃん!」




あたしたちは大声で名前を呼ばれ、


思わず立ち止まって顔を見合わせる。





「明日の球技大会、お前らのために頑張るから!」





そう言って、叫んだ諒司先輩。


あたしは振り向くことなく、


校門を後にした。


諒司先輩はまだ何か言ってたけど、


もう恥ずかしくて後ろを見れなかった。






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