雨のち晴
「朱里、今日俺の応援してよ?」
「やーですよ。自分たちのことで精一杯なんで」
「俺は応援してるよ?」
「いいです、していただかなくて」
何でこんなに話すように
なったんだろう。
何でこの人はこんなに
あたしたちに構うのだろう。
女なんて、その辺に
うじゃうじゃいるのに。
「学級委員は各クラスの出欠を担任に報告するように~」
体育科の先生の声が響き渡る。
あたしたちはクラスの列の
後ろに固まって並ぶ。
他の3人の先輩は自分のクラスに
戻ったのに、
なぜかここにいる諒司先輩。
「先輩、欠席になりますよ?」
「大丈夫!」
「はい?」
何も大丈夫じゃないでしょ。
そう心の中で呟くと。
「だって俺が学級委員長だから」
笑ってそう言って、
ろくに確認もせず、
担任の所に行って全員出席と
報告しに行った。
「諒司先輩、自由すぎるでしょ」
後ろでそう突っ込む麗華。
あたしは思わず笑ってしまった。