雨のち晴





「何でそこで諒司先輩の名前が出て来るのよ」




ないないないない。


絶対ない。


何で諒司先輩なのよ。




「絶対朱里のこと気に入ってると思うなぁ」





「あたしもそれ思う」




いやいやいやいや。


気に入ってるから、


どうこうなるもんじゃないし。


第一、諒司先輩には


他にもたくさん女の人いるし。


あたしのことなんて、


何十人、もしかしたら何百人の中の


1人のしてしか見てないって。





「あたしには十夜だけだから。諒司先輩なんてどうでもいいし」




そうだよ。


どうでもいいんだよ。


諒司先輩なんて。


ただの先輩。


言うなればただの知り合い。


それだけなんだから。





「どこのお店行く?」




「あたしね、スカート見たいんだよね」




ファミレスを後にしたあたしたちは、


どこのお店に行くか話し合う。


歩きながら、何が欲しいとか、


あれが欲しいとか。


そんな話をしている時に携帯が鳴る。


見ると、1件のメール。


開くとそこには、


知らないアドレス。


もしかして諒司先輩?


そう思って中を見ると。


発見。


たった2文字。





「は、何これ…」




「え、嘘!」




「朱里、あれ…」





発見、って何これ。


あたしはそう思いながら、


携帯から目を離し、


あたしを呼んだ麗華を見る。





「どうしたの?」




「前、見て」




「え?」





あたしは言われた通り、


前を見る。





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