雨のち晴
「じゃあ俺らも一緒していい?」
「はい!是非!」
隣で繰り広げられる、
真太先輩の恵衣の会話。
おいおい、何言っちゃってんの。
一緒って。
本気?
「いいよね!2人とも!」
だけど恵衣が真太先輩のことを
好きなのを知ってるあたしたちは、
だめとは言えず。
「別にいいけど」
そう答えるしかなかった。
決まったら早い。
目的なんてないけど、
6人で歩き出す。
あたしの隣を歩く諒司先輩は、
終始笑ってて。
「笑いすぎでしょ」
なんて思わず言ってしまう。
こんなにあたしが冷たいのに。
気にしない諒司先輩。
おかしいのかな、この人。
「ちょっとあたしたちここ寄ってくるね!」
恵衣は真太先輩と、
新しく出来た雑貨屋さんに
消えていく。
「喉乾いた」
「じゃああそこ、行きません?」
健先輩の一言で、
麗華もどっか行ってしまう。
残された、あたしと諒司先輩。
「朱里何か行きたい所ないの?」
「アクセサリーショップ行きたいと思ってました」
今日は、アクセサリー中心で
買い物をしようと思ってた。
だけど、もう行けないな。
なんて思ってると。
「んじゃあ行こう」
なんて諒司先輩が言った。
え、だって。
「多分女の人ばっかりですよ?」
女性専門のアクセサリーショップに
行きたかったし。
そこがあたしの行きつけで、
好きなブランド。
前に行った時、男の人が
彼女と来てたけど。
すごく居辛そうだったし。