雨のち晴




その日から、


あたしの携帯には


十夜からの連絡は一通も、


一件も入らず。


諒司先輩からの


メールや着信でいっぱいだった。


何を話すわけでもなく、


今日は真太と遊んだとか、


お風呂あがったとか。


電話も今日何してたとか、


そんな話ばかりで。


だけど少しだけ、


十夜がいない寂しさを


紛らわすことが出来たのは内緒。


気付けば夏休み最終日で、


明日から2学期。


長い長い夏休みは、


一瞬で終わりを迎えた。




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