雨のち晴
軽快な音楽が学校中に
鳴り響く。
「あ、クレープ食べたい!」
「ね、あれ!行きたい!」
今日は待ちに待った文化祭。
あたしたちのクラスは、
何も出し物をしなかったため、
1日自由に回ることが
出来る。
てなわけで、
朝から色んな出し物を見て
回っている。
「ちょっとそんなに食べすぎると気持ち悪くなっちゃうよ?」
「平気平気!」
「まだまだ入るよ」
結局、次の日に
諒司先輩と会ったけど。
態度も変わらずいつも通り。
返事を急かされることもなく、
今日まで来た。
でもやっぱり優しいし、
連絡もくれるし、
意識しなくはなくて。
「後夜祭さ、一緒にいようって真太先輩が言ってたよ!」
「じゃあみんなで合流だね」
学校の休み時間とかは裕大先輩と
よく話すけど、休日とか
放課後とかに遊んだことがない。
何でか諒司先輩に聞いたら、
裕大先輩には他校に彼女が
いるらしく、いつも一緒にいて
あげられないから、
空いてる時は一緒にいて
あげたいんだって言ってた。
後夜祭は部外者も歓迎だから、
きっと裕大先輩は彼女と
過ごすんだろうな。
「今日くらいはいっか。いっぱい食べよう!」
文化祭なんだもん。
いいよね、食べても。
あたしは2人と同じように
両手に買ったものを持って、
たくさん頬張った。
何かいつもと違う学校の雰囲気が、
楽しくて仕方なかった。
「校庭の朝礼台付近にいるよだって」
後夜祭まであと15分。
真太先輩からのメールと
恵衣が読む。
行きますか、と移動する。