【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
嘘はついてもいいんだ
司の足が止まったのは、近くにある小さな公園のベンチの前だった。
「座れよ」
司は乱れた息を静かに落ち着かせながら、私をベンチに座らせた。
司は近くにあった自販機で、ジュースを買うと、私の目の前に差し出した。
「……」
私はそれを黙って受け取って、膝の上にそっと置いた。
司は何も言わずに、私の隣に座った。
「私が悪いの……?」
「別になんも言ってねえだろ?」
「だって…司黙ってるんだもん」
目からはどんどん涙が溢れだしてきた。
あれ?
私……。
私を叩いた彼女みたいじゃん……。