【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
ああ…そっか。
「私…ヒロにいが好きだったんだ」
「何を今さら……」
司は呆れたように、ハアとため息を落として、頭をクシャッと乱した。
「司…知ってたの?」
「知ってたもなにも…お前小さいころからヒロにいにベッタリだし。好きになるのは、ヒロにいに似たようなやつらばかりだったじゃんか」
司の言葉に、今までの自分を思い返してみた。
……確かにそうかも。
「私、ヒロにいに自分の気持ち伝える」
「は?お前何言ってるんだよ」
「嘘をつくのは嫌だから」
「お前なあ…嘘をつかないことが、そんなに大事かよ」
「大事だよ。嘘ついて、気持ち伝えないで、後悔するのは嫌だ」
私はベンチから立ち上がり、司が買ってくれたジュースをベンチにカツンと置いた。