【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
「待てよ!」
ヒロにいの元へ行こうとする私の腕を、司は捕まえた。
「離してよ!」
「嘘はついてもいいんだ!」
「何言ってんの?嘘はついたらいけないんだよ」
私は司の手を振り切って、ヒロにいの元へ向かった。
ヒロにいは、嘘をつかない私を受け止めてくれる。
そう信じていたから、気持ちを伝えることになんの迷いもなかった。
公園から出ると、ヒロにいが私と司を心配して、近くをキョロキョロと探している姿が見えた。
「ヒロにい!」
私はヒロにいの名前を叫んだ。
ヒロにいが気づいて、私の顔を見た。