【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
嘘=幸せ
結婚式当日。
私は幼なじみということもあり、ヒロにいの結婚式に招待された。
「結婚式なのに、制服って…せっかくだから綺麗な服着たかったな」
いじけながら、制服のリボンを直す私の手を司が止めた。
「高校生なんだから、これが正装だろ?」
司が曲がった私のリボンを直しながら、私の背中をトンと押した。
「嘘ついてこい」
目の前には王子様みたいなタキシードに身を包んだヒロにいと、お姫様みたいにふわふわでキラキラな綾子さん。
「うん」
私はヒロにいの元へと歩みを進めた。
あなたが笑うなら、私は嘘をつく。
ヒロにいと綾子さんの前に立ち、深くお辞儀をした。