【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
二人で少し離れたソファーに座って話をした。
「嘘つくことって、悪いことだと思ってたけど…結構気持ちがいいもんだね」
「そっか…良かったな」
司はそう言って、私の頭を優しく撫でながら、ふふっと静かに笑った。
撫でられた頭を自分の手でそっと抑えながら、静かに動く胸の鼓動に、私は確かなものを感じていた。
「ねえ、司」
「ん?」
「あれ以来…私の頭よく撫でるよね?」
「え!?えー…そう、かな?」
「そうだよ、絶対そう!」
「どうかなあ?」
司はずっと、とぼけているように目を泳がせていた。