【完】あなたが笑うなら、私は嘘をつく
「お前、今日俺が仕事休みだって、よく分かったな」
ヒロにいは、ベットに腰を下ろした。
私はいつもの特等席のベット脇のソファーに座った。
「うん。前に代休とるって言ってたの覚えてたんだ」
「ふうん。そっか」
「何か用事でもあったの?」
「ああ。もう済んだから、気にするな。話してみろよ。何があったんだ?」
「うん…好きな人がいてね。その人に好きだって伝えたの」
「うん…それで?」
「その人が誘ったからデートだってしたし、キスもしたし、それ以上だって……」
「うん」
ヒロにいは、ただ黙って頷いていた。