【完】愛する君と、
和人から優がいる場所を教えてもらい、俺は走ってそこへ向かった。
着くと、優は小さく踞っていた。
そんな姿に、俺は小さく笑った。
「…もぅ、やぁ…」
「そう言いたいのは俺の方だよ」
俺がそう言うと、優は顔をバッとあげた。
優の瞳は、少し潤んでいる。
「こんな隅で、泣いてんの?」
悪戯っぽく聞いてみると、優はカァッと顔が真っ赤になった。
「っ!! 泣いてないし!!」
「そっか。んじゃ、話せるな」
俺は「よいしょ」と言いながら、優の隣に座った。