【完】愛する君と、



優の方をチラッと見ると、落ち込んでいるように見える。

俺は優しく、「ごめん」と言った。

すると、優は目を丸くしている。

「ぇ…」

「ごめん」

優は不思議そうな顔をして、俺をじーっと見ている。

「大人げなかったよ。いきなり怒鳴って、ごめん」

そう言うと、優は「…あたしこそ、ごめんなさい」と言った。

どうやら、俺がそうとう怒っているように見えるらしい。

優の気まずそうな顔を見ればわかる。


「優、ひとつ…言わせて」

「ん…?」





「俺は、優に言ったキモチに、噓なんて一つもない」





今まで…何度も優にキモチを伝えたけど、


噓なんて、ついたことはない。




< 241 / 464 >

この作品をシェア

pagetop