【完】愛する君と、
優の方をチラッと見ると、落ち込んでいるように見える。
俺は優しく、「ごめん」と言った。
すると、優は目を丸くしている。
「ぇ…」
「ごめん」
優は不思議そうな顔をして、俺をじーっと見ている。
「大人げなかったよ。いきなり怒鳴って、ごめん」
そう言うと、優は「…あたしこそ、ごめんなさい」と言った。
どうやら、俺がそうとう怒っているように見えるらしい。
優の気まずそうな顔を見ればわかる。
「優、ひとつ…言わせて」
「ん…?」
「俺は、優に言ったキモチに、噓なんて一つもない」
今まで…何度も優にキモチを伝えたけど、
噓なんて、ついたことはない。