【完】愛する君と、
「ったく…今まで進路調査の紙、どうしてたんだよ」
「…」
実は、全部千里と一緒にして、提出していた。
自分の考えなんて一つも入っていない紙を。
「やりたい事が…ないんだもん」
「ふぅん…」
今までそんなの考えた事もなかった。
親がいないあたしにとって、進路を相談する相手もいなかった。
「千里ちゃんは?」
「千里は看護婦目指してるから…」
「へぇ、じゃあF大か?」
「よくわかるね…」
「俺も医学部進もうと思ったことはあるからな」
「ふーん…」
「んで、優はどうすんだよ」
「…」
「おまえなぁ…」