【完】愛する君と、
優は次々と問題をといていった。
「ねぇ、直紀の夢、当ててあげよっか?」
「どうぞ?」
「教師」
「…誰から聞いた?」
真か?
和人か?
「失礼な、誰からも聞いてないし」
マジで…?
「だって、あたしの高校生活をすっごい大事そうに言うし、教えるの上手いし。教えるのは数学?」
コイツは観察力がいいのか…?
全部当たってんだけど。
「なんで…先生になろうと思ったの?」
「…教師、ってさ生徒の将来を左右する一つなんだ。たった一つの言動で将来への考え方が変わるからな。実際、俺も一人の先生のおかげでこうやって、夢を持って生きてる」
「…」
「たった今、過去でも未来でもない、今を大事にして欲しい、って事を伝えたいんだ」