【完】愛する君と、




「嬉しい反面…自分に腹が立ったよ。15年間一緒にいて、全然気づかなかったんだ…。バカだって思う」

「…」

「そんでさ、昨日、あいつの誕生日だったんだよ」

「ぇ…」

「”誕生日は好きな人と一緒にいたい”って。俺、その気持ちわかっちゃって…」

「それで…一緒にいたの…?」

「駅まで送っただけだけどなっ」

「…」


優しすぎるよ…直紀。


「直紀が伊藤さんと一緒にいて…すっごい、嫌だった」

「ん」

「…直紀が、直紀がいない夜は…寂しかった…っ!!」

「…優」


直紀はそっとあたしにキスをした。




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