【完】愛する君と、
「もぅッ、一人は嫌…!! 嫌なの…!! でも…実くんでも、千里でも、真くんでもダメで…直紀じゃなきゃ、嫌で…っ! そんな我が侭を思う自分が、もっと嫌…っ!!」
「優、もっと言えよ…もっと、我が侭言っていいから」
「で、でも…っ」
「俺は、無理な我が侭でも、嬉しいから。優が、我が侭を言ってくれることが、嬉しいんだよ」
「…//」
「俺もだよ、優。優が隣にいないと眠れない。大学二年生なのに、情けねぇよなっ」
苦笑い混じりに笑う直紀。
「…ごめっ…ごめんね、直紀…っ」
あたしは大粒の涙を流しながら、直紀に抱きついた。
「もう、二度と離れんな…っ!!」
直紀は、強くあたしを抱きしめる。
そして、深く…口づけた。
「んっ…」
たった、たった一日なのに…。
あたしの心は、寂しい気持ちでいっぱいだった。