【完】愛する君と、
一通り見終わって、あたしと直紀は水族館を出た。
「楽しかった〜!」
「そりゃ良かったよ」
「…直紀、はい!」
「ん?」
あたしはさっき、お土産やで買ったイルカのストラップを直紀に渡した。
「石…?」
「それをもってると、幸せになれるんだって」
「ふぅん…サンキュー! んじゃ、俺はこれ」
「?」
「優、手出して」
あたしは両手を差し出すと、直紀はそっと左手を取った。
「ほんとは、薬指につけたいけど、今はこっち」
「…っ」
直紀は小さな薄いピンク色の石がついた指輪を、あたしの小指につけた。