万華鏡
「…じゃあ彼が生きていれば、俺は君と一緒になれなかった訳だ。」
「それはわかんないよ。そうなってみないと。
でもそんな事考えるより、私は今が大切よ。
私ね、人の運命なんてその時のその人の気持ちで変える事ができるんだって思うの。
中田さんと宮下さん、付き合ってるんでしょう。
宮下さんなんか最初あなたにゾッコンだったんだから…。覚えてるでしょ?
…人の縁、て不思議だね。独身の時、お隣に住んでたリョウ君て大学生がいたの。彼の友だちでコウ君ていてね、そのコウ君が宮下さんの弟ってわかった時はすごいびっくりしたわ。」
「…え?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてねーよ。」
「それからね、そのリョウ君と幼馴染みの彼、知り合いだった。それを知ったのは彼が亡くなった後。」