万華鏡
7.新しい命と共に
天気のよい昼下がり。
少しばかり大きくなったお腹を抱え、千尋を連れて公園にやって来た。
千尋は砂場セットを持って砂場に駆け寄り、すぐにスコップで穴を堀り始めた。
上の方の砂は乾いてサラサラしてるけど、少し掘り下げると湿った土になる。
その土を砂場セットを入れてあるバケツと、プリンの空き容器、一口ゼリーの小さな空き容器にぎゅっと詰めた。
そしてそれを平らな砂場の縁に並べ、そっと容器を持ち上げた。
「できた!ママ見て見て!」
得意気に私を見てにっこり微笑むと、いきなり両手を挙げた。
「ハッピーバースデーおかあさーん…。」
と大きな声で歌い出した。
回りにいるお母さんたちからはクスクス笑われて、
「可愛いわね。」
なんて囁かれ、真っ赤になって俯いた。
千尋はそんな事にはお構い無しにフルコーラス。
歌い終わると私の傍までやって来て、お腹にそっと口を近付けた。