万華鏡
「ああー、関口さん。こんな所で何してんですかあ。一緒に飲みましょうよ。はいビール。私に注いでくーださい。」
そう言って小首を傾げ、上目遣いに目をパチパチ…。
さっき関口君が真似た顔と同じ顔をした彼女を見て、可笑しくなった。
「やあだ、谷原さん。思い出し笑い?真面目な顔して実はスケベだったりしてぇ。」
ケタケタケタと悪びれもせず笑う彼女。
「俺、腹減った。料理食ってこよ。また後でね、谷原さん。」
そそくさと席へ戻って行く姿を見て、またクスッと笑った。
「ねえ、谷原さん。」
今度は宮下さんが声をかけた。
「何?」
「関口さん、素敵だと思いませんかあ?背は高いし、爽やかな感じで。」
「そうだね。」
「でぇ、同期の谷原さんにお願いがあるんですけどぉ、関口さんの情報、何でもいいから教えて下さいよぉ。私が聞いてもなーんかはぐらかされちゃってぇ。」
「そっか。でも悪いけど教えられない。て言っても何も知らないけど。ごめんね。」
「本当ですかぁ?」
「うん。」