万華鏡
私のウーロン茶を見て、急に話を変えてきた。
「あっれー。ウーロン茶?折角の飲み会なんだから飲みましょうよ。すいませーん。」
店員を呼ぶ彼女を制するように、
「いいよ。今日はこれで。」
「ダメです。ちゃーんと飲んで下さい。サワーだったらいいでしょ?」
私の返事を待たずに勝手に注文されて、運ばれてくると飲むまで動こうとしない。仕方なく一口飲んだ。
その時誰かが、「おーい、宮下さん。」と呼ぶ声がして、やっと彼女から解放された。
大きなため息を吐き出して一息ついたところで、出された料理を食べることに専念した。
こういう場では気の聞いた台詞も言えないし、冗談一つ出てこない自分に嫌気がさす。
苦手だな…。早く帰りたい。あー、眠い。
テーブルに肘をつき、指を組んだところに額を乗せた。