万華鏡
「谷原さん?」
この声は関口君?あー、だめ。気持ち悪くなってきた。
ゆっくりと声のした方を振り返った。
「大丈夫?顔色悪いよ。ちょっと外へ出よう。」
そう言って外へ連れ出してくれた。
大きく何回か深呼吸すると、さっきよりは幾分楽になった。
「今日はもう帰った方がいいんじゃない?」
「うん、そうする。鞄と上着取ってくるよ。」
中へ戻ろうとすると手首を掴まれた。
「俺が取ってくるからここにいて。ひき止められちゃ困るだろ?」
そう言って彼はさっさと中へ戻って行くと、案外すんなりと私の鞄や上着を他の人と間違えずに持ってきた。