万華鏡
「これだろ?幹事には言ってきたから。」
「ありがと。助かったわ。それじゃ。」
駅へ向かおうとすると後ろから肩を掴まれた。
「送るよ。そんな顔色悪いのに、一人で帰らせることできないだろ。」
「でも、それじゃ悪いわ。折角の歓迎会だし…。」
「丁度いいよ。纏わりつかれて困ってたんだ。」
「宮下さん、苦手?」
「へー、随分ストレートなんだな。もっと遠回しに言うかと思ってた。」
「え…。あ、ごめん。」
「いいよ別に。苦手なのは本当だし。谷原さんこそ彼女に色々教えてるけど、どうなの?」
「…ここんとこ失敗続きでちょっとね…。でもよく頑張ってると思うわよ。」
「ふーん。俺には失敗だけじゃなくて、彼女自身に疲れてるように見えるけど。」
「え?何でわかったの?顔に出てたのかな。」
片手で口元を覆った。