万華鏡
「関口君の家はどの辺りなの?この間は私の家まで送ってくれたでしょう。随分遅くなったんじゃない?」
「いや…。わりと近くだったんだ。降りる駅も一緒だったし。」
「へー、そうだったんだ。もしかしたら今までにも近くで会ってたかもしれないね。」
「そうだな。…なあ、今度の金曜日空いてる?一緒に飲みに行かないか。」
「あら、関口君が誘ってくれるなんて光栄だわ。…会社の女の子にバレたら睨まれちゃいそう。」
「?」
「知らなかったの?女の子の間じゃ人気あるのよ。
同期で時々話ができる私が妬まれる事だってあるんだから。」
「へー。初耳だな。でも谷原さんが妬まれるっていうのは心外だ。話ぐらいだったら誰とでもするのに…。」
「ふーん。じゃあそれ、宮下さんに伝えといてもいい?」
「え…?いや、あのそれは…ちょっと。」
「ふふふ…。宮下さんは特別なんだ。」
「その言い方は誤解を招くから止めてくれる?」
「クスクスクス…。」