万華鏡
ネガティブな考えばかりが頭に浮かぶ。
「悲劇のヒロインはどこにもいません。後悔の塊でいたいんですか?」
彼女の瞳には力強い意志が見てとれる。まるで私を鼓舞するように。
もしかしたら、千尋は待っていてくれるかもしれない。
笑顔で迎えてくれるかもしれない。
不安に思う数だけ幸せの数もあるかもしれない。
「ありがとう、宮下さん。…頑張ってみるわ。」
「そうこなくっちゃ。応援してますよ、谷原さん。」
彼女の強い言葉に背中を押され、自分のすべきことが指し示されたようだった。