万華鏡


廊下を歩いていると渉外の男性社員と会った。

「よう、谷原さん。その子新人?」

「あら、関口君。そ、宮下麗香さん。宮下さん、こちら渉外担当の関口君。顔合わす事も多々あると思うわ。今度歓迎会もあることだし、覚えといて。」

「よろしく宮下さん。」

「こちらこそよろしくお願いしまぁす。」

彼女の甘ったるい声と上目遣いに何かを感じ取ったのか、関口君はそそくさと立ち去った。

「関口さんと谷原さんてぇ、仲良いんですかぁ?随分親しげですねぇ。」

「ああ、彼とは同期なの。」

「ふーん。…それだけ?」

「それだけ…て?」

「別にぃ。」

…彼女のしゃべり方、何とかなんないのかしら。

はああ…。

小さくため息をついた。



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