万華鏡
「リョウ君!?」
「迎えに行かなくていいってメール受け取ったけど、気になって駅で待ってたんだ。そしたらさっさと行っちゃうし、なかなか声かけらんなくて。驚かしちゃってごめん。」
よ…よかった。リョウ君で…。はああ…。
「行こ。立てる?」
差し出された手に掴まったけれど足に力が入らない。
「ごめ…腰が…抜けて…。」
「おぶってくよ。ちょっと恥ずかしいかもだけど我慢して。」
そう言ってしゃがんで背中を向けてくれたけど、
「いや、あの…いいよ。」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ?ほら早く。」
「…そ…そうじゃなくて…スカートが…その…。」
タイトスカートでおぶってもらうわけにはいかない。
「え?ああ、そのスカートじゃおんぶできないな。じゃあ、こっち。」
そう言って背中と膝裏に腕を回すと、姫抱っこをされた。