万華鏡
8.招待
日曜日は朝からリョウ君を迎える準備をしていた。
金曜の夜の電話では様子がおかしかったリョウ君。昨日会った時は、いつもと変わらなかった。
あれは一体どういうことだったんだろう。
でもあの日の事を確かめる勇気も、話すことすらできなくて、また…自分の中に気持ちを押し込めた。
午後2時。ピーンポーン。
リョウ君がやって来た。
「お邪魔しまーす。」
「はーい。どうぞ。あら、友だちも一緒?どうぞ入って。」
「一人がいいって言ってたのに、結局誘ったんだ。」
「誘ったんじゃないよ。こいつが勝手に…。帰れっつったのに…。」
「まあまあ、いいっつってんだから…。」
「お前が言うな!!」
「クスクスクス…仲がいいのね。」
「飲み物は何がいい?コーヒー、紅茶、緑茶もあるわよ。」
「俺ビール!!」
「おい!何言ってんだよ。そんな事冗談でも言うな!やっぱりお前帰れ。」
「そんな怒んなよぉ。ちょっとふざけただけじゃん。」