万華鏡
「宮下さん。あなたお昼は?食堂に行ってもいいし、ここでお弁当食べてもいいわよ。コンビニ行ったり、会社の前の公園へ行く人もいるから。」
「谷原さんはぁ、誰かと一緒なんですかぁ?」
「いや、私は…。」
言いかけて口をつぐんだ。
正直言って、まだ彼女に慣れてないせいもあるとは思うけど、午前中だけで疲れてしまって、昼休みまで顔を突き合わせていたくない。でも初日から彼女を避けるなんてことはできないし…。
「いいわよ。一人だし。前の公園でも行く?それとも食堂?」
「お天気もいいし、公園行きましょう。お弁当持って来ましたし。」
意外だった。
休みの日には、ケバい化粧でもして街中を闊歩してそうなのに。
お弁当作ってくるようなタイプには見えなかった。