万華鏡


「…私の…事?」

「そうです。貴女と喧嘩したまま仲直りできずに引っ越したからです。

貴女は千尋君に対して後悔をしてますね。

彼もまた後悔していました。

過ぎた事を悔やんでも仕方がありません。

これからは、なるべく後悔のないよう生きていけばいいのです。

そうは言っても一人の人間です。間違いもある。間違えば自らそれを認め、許しを乞うしかありません。

なるべくそうならないよう貴女の周りにいる人の話をよくお聞きなさい。

いいですか?」

…とても不思議な和尚さん。目を合わせるだけで全てが見えているようだ。

「千尋が辛い思いをする原因を作ったのは私なんです。」

「千尋君も傷ついた。でも貴女自身も傷ついて悩んだ筈です。もう10年です。充分なのではないですか?」




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