万華鏡


位牌があって…


お花があって…


お供え物があって…


写真を見た…


…これは何?

おばさんは私を騙そうとしてるの?

私の斜め後ろに座るおばさんを振り返った。

「半年前…。飲酒運転の車が…突っ込んで来て…。」

おばさんの声が震えてる…。

「…おばさん、何を言ってるの?私、千尋に会ったんだよ?ここに来る前。」

「え…?」

「ついさっき。ちゃんと会って謝る事もできたし、お饅頭もおばさんに渡しといてって。…そうだ。ちょっと待って。」

リビングに戻って鞄の中にしまった万華鏡を取り出した。

「これ…千尋がくれたの。自分で作ったって。」

おばさんは大きく目を見開いて、それを手に取った。




< 88 / 108 >

この作品をシェア

pagetop