危険、注意報!
「あ、そういえば…あんたの幼馴染あっちの高校にいたっけ?」
片手の教科書に目を通しながら静香は私に問う。
「藤堂響の事?」
「なにフルネームで呼んでるのよ。むかしは響く~んなんて嬉しそうに呼んでたじゃない」
「昔の話でしょ!」
私が大声を出して熱くなってるにもかかわらず静香は昔のことを淡々と語る。
静香とは中学のときから同じクラス…もちろん響も。中学の私たちを一番知っている。
「何が昔の話よ…つい一年前のことでしょ?ほんと何があったのよ。あんた達…」
「わ、私だって知らないよ…!」
「まあ、あっちは律王こっちは聖華。話す必要もないけどね」
ぱたん、と教科書を閉じる。
何故かちくりと胸が痛んだ。
「…そう、だよね」
それと同時にチャイムがなる。
席に戻らなきゃ…