おもちゃのユビワ
次の日もナオはアルバイトに行く日だった。



今日は紗季もシフトに入っていたので、紗季と待ち合わせた。



「ナオ!」



紗季は待ち合わせ場所に先に来ていた。



「お待たせ。」



「ナオ、もう全然化粧しないね。」



「うん。もうやめたの。拓兄ちゃんの思うイメージの私でいようと思って。」



「健気だねー。」



「もう、いいんだ。妹で。悩んでても仕方ないから。いずれ女としてみてくれるように少しずつがんばる。今までだって、そうして来たんだもん。」



「ますます健気だわ。いつか、絶対届くよ。」



「うん。」



ナオは夏休みに入り、拓巳に会えない辛さで悩んだ日々を乗り越え、こういう結果を出したのだった。



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