おもちゃのユビワ
高木
「中崎ナオ入ります。」
「山口紗季入ります。」



二人が職場に入った。


すると、いつも同じシフトのメンバーの男の子がナオに話しかけてきた。



「中崎さん、昨日の、彼氏?」



秀二の事だった。



「違いますよ。隣の家に住んでる幼なじみです。」



「なんだ、そっかそっかー。」



「やだなー、高木くんたら見てたんですか?」



「そりゃ見るよ。好きな子が男といたら気になっちゃうじゃん。」



「え?」



「今日オレ6時上がりなんだ、家まで送らせてよ。」



「あ、あの…」



ナオは高木があまりにも積極的なので面食らってしまった。



「あの、今日は紗季と一緒だから、ごめんなさい。」



「じゃ、今度のオレの6時上がりの日は必ずね。」



高木は勝手に約束をして、仕事に戻ってしまった。



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