おもちゃのユビワ
並んで歩いて初めて気が付いた。高木は背が高い。170センチメートルそこそこの拓巳や秀二と歩きなれているナオは、明らかに違う男の子と歩いていることを実感した。



高木は下を向いて歩いているナオの顔をのぞきこんだ。



「どしたの?なんもしゃべらないね。」



「あ…」



「さっき何か言いたげだったからさ。」



「そうなんだけど…」



「先に言っとくけど、送らないでいいわっていうのはなしね。」



高木に先手を打たれ、ナオは仕方なく送ってもらうことにした。



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