おもちゃのユビワ
「ホントしゃべらないね。いつも山口さんと楽しそうにしゃべってんのに。ぼくと、そんなにしゃべりたくない?」



「いや、そういうわけじゃないよ。」



「中崎さんて、今高2だよね。部活とかしてないの?」



「うん。スポーツはやらないし、見るのは好きだけど。高木くんは?」



「ぼく?ぼくはバスケ部なんだよ。」



「背が高いもんね、何センチあるの?」



「190センチだけど、バスケでは低い方だよ。」



(拓兄ちゃんと20センチも違うんだ…)



「中崎さんは、155センチくらい?」



「スゴい、よく分かるね。」



「何でも分かるよ。体重は45キロ。」



「ウソ!何で?何で分かるの?」



「アハハハ。冗談だよ、当たっちゃった?」



「え?プッ!もう~」


「やっと笑ってくれた。」



「あ…」



高木は足を止めた。



「中崎さんが好きだよ。今はぼくを好きじゃなくていいから、また送らせてくれる?」



ナオは断る事ができなかった。

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