おもちゃのユビワ
昨日会ったばかりだが、ナオを家まで送ってきた男を間違うはずがない。



(やっぱ高木だ。でも、なんだ?オレんち見てるな。)



高木は秀二の家の前に立っていた。秀二が窓から見ていると、高木が秀二の家のチャイムを鳴らしたではないか。



(お、おいおい!)



ピンポーン



秀二は急いで玄関に走り、ドアを開けた。



「よっ!」



高木は軽い態度であいさつした。



(『よっ』じゃねーよ。)



「昨日の…」



秀二は精一杯、平静を装った。



「またまたぁ。ビックリした?」



高木の軽い態度は変わらなかった。まるで昔からの友だちのようにふるまった。



「オレに何か用事が?」



「そう!ちょっと出ない?」



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