おもちゃのユビワ
秀二は高木に連れられて近くの小さな公園にきた。



「こんなとこに公園があるんだ。」



「…」



「なぁ、小さいときからナオちゃんと遊んだりした?」



「何か用事があるのか?」



秀二はぶっきらぼうに聞いた。



「お?急かすね~。用事っていうか、キミがどんなやつか見とこうと思ってね!」



「は?何でオレを…」


「だって、ライバルじゃん。」



(ライバル?こいつ、オレの気持ちを分かってるっていうのか!?)



それでも秀二は平静を保った。



「何でライバルなんだよ?」



「またまたぁ。ナオちゃんのこと好きでしょ?」



「ただの幼なじみだ。」



「またまたぁ、いいって、隠すなよ。僕たちはライバルだな。でもキミ、ズルいよ。幼なじみだからって、いつ一緒にいてもおかしくないなんてさ。」



「…」



「僕なんて、ナオちゃんを家まで送るのに、相当誘ってんだよ?でも5回に1回ってとこか?」



「…嫌われてんじゃね?」



「言うね。でも最近は満更でもないんだ。」


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