おもちゃのユビワ
新学期が始まり、またいつもの朝が始まる。



ピンポーン



「ほら、ナオ。秀二くん来たわよ。早くなさい。まったくもう。」



「もう、ママったら、分かってるからっ!」



ナオの朝寝坊は2学期も変わりない。



「秀二くん、おはよう。ナオったら、まだご飯食べてるのよ。」



「おはようございます、おばさん。走って行けば間に合うから。」



「そう?毎日走らせてごめんなさいね。」



「朝練になるし。」



「ああ、秀二くん陸上がんばってるらしいわね。お母さん言ってたわ。今度おばさんも応援に行こうかしら。」



そこへやっとナオが来た。



「ママの高い声の応援じゃ、集中して走れないよ。」



ナオは憎まれ口をたたくと、さっさと靴を履いて玄関を出た。



「ハイハイ、行ってらっしゃい。ヨーイドン!」



「行ってきます。」



二人は走り出した。



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