おもちゃのユビワ
二人は喫茶店に入った。



「もちろんお二人様ですね?」



(もちろんお二人様?)

「はい…」



店員は生徒である。メイド服を着た生徒たちが二人を席まで案内した。



「こちらの喫茶店のご説明を致します。
まず、カップル限定の喫茶店です。
食べるものはホットケーキのみ、飲み物はオレンジジュースのみです。
そして、それぞれ1つずつしか頼めません。
仲良く半分こして下さいね~」



「ええっ?そんなバカな。」



秀二は驚いて文句を言ったが、店員は一礼をして戻っていった。



「まあまあ、秀二くん。今日はお祭りだからさ。半分こでいいじゃない。」



「愛ちゃんがそういうなら…」



「わあ、名前呼んでくれたね!ちょっと感激。」



「あ、いや、下の名前しか知らないし…。」



「いやじゃないよ、仲良くなれた気がしたから、ちょっと嬉しくなったの。」



愛はニッコリ笑った。



明るくかわいい笑顔だった。



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