おもちゃのユビワ
それでもしばらく喫茶店に入ったまま、二人は話していた。



愛がゆみと幼なじみであることや、最近ゆみが彼氏と別れたこと、愛はしばらく彼氏がいないことなど、いろいろと知ることができた。



秀二も話の流れから、幼なじみであるナオのことを話していた。



「幼なじみって不思議よね、一緒にいることが自然に思えるんだもん。」



「そうなんだよな、みんな付き合ってるって思ってるけど、そうじゃないんだ。一緒にいて当たり前なんだ。」



「分かる~。まあ、私は女同士だから付き合うとかはないけど、ゆみのお兄ちゃんといつも一緒だから、彼女とまちがわれること多いもん。」



「そうなんだ?」



「彼女とまちがわれて嬉しかった時期もあったんだけど…あっこれはゆみには内緒ね。」



「あ、ああ。…今は?彼女とまちがわれて嬉しくないの?」



「失恋したの。告って失敗!妹にしかみえないだって。初めはショックだったけど、今は平気よ。普通に話してる。」



「ごめん…いやなこと聞いて。」



「だから、今は全然平気だってば!それより秀二くん、ナオさんとはどうなの?まちがわれて嬉しいんじゃないの?」




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