おもちゃのユビワ
気まずいまま、体育館に着き、ショーが始まるのを待った。始まるまでの15分がとても長く感じられた。



ナオは何も話さない。


(怒ってんだよな、これは。写真はまずかったな。)



秀二とナオは付き合っているわけではない。お互いに何をしようと問題はないはずだ。



だが、ナオは気に入らないのだ。



秀二に彼女ができることが気に入らないのか、女の子と遊んでいたことが気に入らないのか、ナオは分からないまま、ただすねていた。



「ナオ?あれ彼女じゃないから。」



「…」



ナオは何も答えなかった。



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