おもちゃのユビワ
拓巳はゆっくりと話し出した。



「兄ちゃんな、ナオの気持ち分かってたよ。」



「だったら何であんなこと言うんだよっ!」



秀二は拓巳の軽々しい言葉に悔しさが込み上げてきた。



「知ってて、ナオを傷つけるようなこと言ったのか!?」



秀二は語調を強くした。



「まあ、聞けよ秀。ナオは確かに兄ちゃんのこと好きだったかも知れない。でもそれはホントの恋じゃない。」



「…」



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