おもちゃのユビワ
「ナオは兄ちゃんに少し憧れてただけだ。幼い頃から一緒にいて、兄ちゃんのこと、何でも知ってる、何でも出来る憧れの兄ちゃんなんだよ。早く言えば、ブラコンだ。」



秀二は拓巳にそっぽを向いたまま話を聞いていた。



「ナオには、兄ちゃんじゃない相手と本当の恋をしてほしいと思ってる。」



「何で兄貴じゃダメなんだよっ!」



「ダメだ。ナオは大事な妹だ。それ以上でもそれ以下でもない。」



秀二は愛のことを思い出した。愛は幼なじみのゆかの兄に同じ言葉でふられている。



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