おもちゃのユビワ
片想い
その晩ナオはベッドに入ると、昼間のおばさんの言ったことを思い出していた。



「拓兄ちゃんとこ行きたいな…
どうしてるかな。もう1ヶ月も会ってないよ。」



ナオはベッドに備え付けてある小さな戸棚を開けた。



小さな布製の巾着袋を開き、指輪を取り出した。



星のついたおもちゃの指輪である。



ナオはそっと左手の薬指にはめた。



「小っちゃ。」



おもちゃの指輪は薬指の第二関節でとまっていた…



この指輪は、昔まだナオが7歳の頃、拓巳にもらったものだった。


ナオは指輪をはめたまま、手をかざした。



「私の願いはいつ叶うの?
拓兄ちゃん…」



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