おもちゃのユビワ
授業中、ナオは睡魔と戦っていた。時々頭がコクリと沈み、そのたびに頭を横にブンブンッと振る。



(なんだあいつ、今日おかしいぞ。)



秀二はナオの様子がおかしいので、休み時間に話しかけた。



「寝不足か?」



「うーん、ちょっとね…」



「朝言おうとしてたの何だよ。」



「そうそう、あのさ、やっぱ拓兄ちゃんとこ行かない?」



「はあ?何でだよ。わざわざ行かなくても、たまに帰ってくるじゃん。なんのために行くんだよ、やだね。」



秀二は冷たく言い放ち、自分の席に戻っていった。



(そんな拒否らなくてもいいじゃん!)



ナオは大きくため息をついた。


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